広がるオゾンの活躍分野

遠くて近い存在のオゾン

オゾンはオゾンホールが大きな問題となってから急激にクローズアップされてきた。そのためか、当初はオゾンは、私たちの生活空間から、はるか彼方の存在として受け取られてきたし、現在でもそういった認識をしている人が多い。

オゾンはさまざまな場面に利用されている。こんなにも私たちの生活に直結したところにオゾンがあることには驚かされる。はるかに遠い存在でもあるが、環境に密接しているがゆえに身近な存在でもあるのだ。

オゾンはこれからの私たちの環境改善技術にとって必要不可欠な存在である。

ここでは、実際に応用されたり、応用が期待される例について述べる。

農薬処理と湖沼の浄化

大きな分類からすると水処理への応用になるが、その中には水中農薬の処理、池・湖沼、冷却水などの処理がある。今では農業用にも殺菌・殺虫用などの農薬が非常に多く使われている。その結果、塩素系、有機リン系、尿素系、フェノール系、フェノキシ系、ジフェニルエーテル系などの薬品が水に混入して流出してきている。このような農薬が水質汚染源として問題になったいることは当然である。これらの水中の農薬すべてがオゾン処理できるとまでは考えない。しかし、水中の農薬の多くの成分はオゾン処理によって無害化処理が可能である。

ゴルフ場には池が設けられているが、これはプレー用の障害と防火用水の役割を果たしている。一般の湖と同様にゴルフ場の池の浄化にもオゾンが使われている。この目的の1つはゴルフ場の芝生の育成のために使う肥料や消毒殺菌に使う農薬の処理である。もうら1つは、池だ。ゴルフ場の池で問題になるのは、池の中での有機汚染物質の増殖現象である。具体的な事象としてはアオコや藻類の異常発生がある。

この有機汚染物質の量を示す専門用語は化学的酸素要求量だが、CODの高い池は有機汚染物質の量が多く、このような池や湖沼ではカビ臭や腐敗臭がひどく、池の表面はアオコで覆われ、悪臭を放つようになる。このような汚染された池や湖沼の浄化にもオゾン処理の適用が有効である。池や湖沼の浄化へのオゾン処理法の応用は実験的段階を超え、実際にも使用され、効果をあげつつある。

配水管を清潔に保つ

火力発電所や原子力発電所はほとんどすべてといっていいほど、海岸の近くに設置される。

その理由は、発電所では多量の冷却水を必要とするからである。冷却水の取水と排水には太い配管が用いられる。給排水管を長く使っていると、冷却水によって運ばれた微生物や海洋生物が管の管壁に付着し、通水の妨げになり、冷却作用を阻害する。従来は塩素を利用し、生物が付着することを防いできた。たとえ排水であったとしても海中に捨ててもいいとはいえ、過剰に添加した塩素を海中に垂れ流しすることは許されなくなってきた。したがって従来のように水処理に塩素が使えなくなってきた。これを解決したのが、水中へのオゾン注入法である。

取水した冷却水の中にオゾンを少量バブリングすることにらよりオゾンを注入する。オゾン注入法以外には化学薬品による方法もあるが、オゾン法はいずれの化学薬品を使うよりも残留毒性による海中の生物に対する害がない。

冷却水へのオゾン処理法はまだ十分に適用されるまでには至っていないが、環境保全の面でも推奨できる方法である。

殺菌・成長促進効果

食品工業の分野では、オゾンの応用は対象とする食品ごとに処理方法は異なる。しかし、いずれの製品においても腐敗防止、殺菌、脱臭を目的に使用している。オゾンをガスで利用するときは原料や製造室の空中浮遊菌を殺菌するためで、オゾン水は器具や容器、原料などを殺菌するために用いられる。

オゾン脱臭機の安全性について