農薬=ダイオキシン=危険は本当?

By | 2017年2月8日

農薬=ダイオキシン=危険は本当?
農作物と関連して語られる有害物質は、色々なものがありますが、その中でも非常に有名、いや悪名高いのは、ダイオキシンです。特に、1999年にニュース番組で、埼玉県所沢市の野菜がダイオキシンで汚染されている、という報道(結果としては間違った報道)があって以来、農作物にダイオキシンが含まれていないかを気にする人が増えました。そして、ダイオキシンの発生源の一つが農薬だと主張する人もいます。では、ダイオキシンについての報道は何が正しくて、何が間違っているか、一緒に見ていきましょう。

まず、ダイオキシンとは「類似した毒性を持つ有害な物質」である「ダイオキシン類の総称」です。「ダイオキシン」という物質が1つあるのではなく、「似た化学式を持つ物質が複数あり、若干特性は違うものの、総じて有毒なので、ひとまとめにダイオキシンと呼ばれている」のです。その中で特に有名なのが、アメリカ軍がベトナム戦争の際に使った枯葉剤に含まれていた「2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラダイオキシン(TCDD)」という種類のもので、発がん性があり、また体内に入れると奇形児が生まれる確率が高いので有名です。ベトナム戦争時に、枯葉剤が原因で生まれた奇形児の多くは、このTCDDが原因とされ、これ以外にも、体重の減少、肝臓障害、心筋障害、皮膚障害、神経障害などが発症すると言われています。

では、こうしたダイオキシン類は、「農薬に含まれていて危険?」、というとそうではありません。

1.毒性の極めて強いダイオキシン類は現在生産されていない。
TCDDのような毒性が強い物質は、1960年代にベトナム戦争で利用される枯葉剤として、化学メーカーにより生産され、アメリカ軍にのみ納入されていました。しかし、今はそもそも生産されていません。

2.毒性が低いダイオキシン類も現在生産されていません。
TCDDほど毒性は高くはないダイオキシン類は、かつて農薬(除草剤)として利用されていました。一つは、ペンタクロロフェノール(PCP)という物質で、こちらは1986年以後出荷されていません。また、PCPの後継のクロロニトロフェン(CNP)についても、現在はすでに生産されていません。

3.過去に使われた農薬による土壌汚染については議論があるは、実害はゼロ。
ダイオキシン類が含まれた農薬(除草剤)が使われた結果、土壌が汚染され、結果、その土壌で作られた作物にダイオキシン類が含まれている、という点については議論があります。しかし、土壌汚染が原因のダイオキシン害が発生したという例はありません。

4.ダイオキシン類の最大の排出源は焼却施設。
高温で燃焼する際に生成されやすいという特性から、焼却施設が最大のダイオキシン発生源と言われています。しかし、一般のごみ処理施設ではなく、製鋼会社や鉄鋼会社などで使われる特殊な焼却施設です。また、たばこもダイオキシンを発生しているという見解もあります。

まとめますと、そもそも枯葉剤のような強い毒性がある物質は、50年ほど前に、農業用ではなく軍用として生産されており、農薬として利用されていません。また、弱い毒性のダイオキシン類は数十年前に除草剤として生産されていましたが、現在は農薬としての登録がなく生産されていません。よって、「農薬=ダイオキシン=危険」という話は全部嘘だと考えてもらって問題ありません。ダイオキシン類を気にするのであれば、野菜や果物を気にするのではなく、たばこを吸うのをやめたほうが良いでしょう。

ただ、ダイオキシン類が含まれていないからと言って、野菜や果物の表面に他の農薬がついている可能性はゼロではありません。オゾン水で安全に、殺菌消毒してから食べるほうが安全ですね。

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